9th. album

Smile

2001.10.31 out!!
キングレコード
KICS-900 / ¥3,000(tax in)
  1. Good morning good news
  2. WAITING AT THE BUSSTOP
  3. この世の果てまで
  4. Monster C.C
  5. Skim heaven
  6. WINNING COME BACK !
  7. Vain dog(in rain drop)
  8. FUN FUN FUN OK !
  9. THUNDER WHALES PICNIC
  10. 日々のうた
  11. Smile
  12. Calvero

山中さわおの詩の世界は頑なまでに人を受け付けない、自分を愛してくれるたった一人を信じられれば他に何もいらないという、うがった見方をすれば逃げとも言えるものがテーマにあったような気がする。今でも彼の本質は変わっていないかもしれない、しかし近年、とくに今作に関しては同じ言葉が使われていても、決して孤独を貴高いと感じさせる様な閉ざされた空気感は無い。 “この世の果てまで君に歌うよ”と言われれば、聴く側が何か信じるもの、信じられる可能性のものを一握りでも持ち合わせていればそれを後押ししてくれるような“力”を感じさせるものに聴こえてくる。音楽的には一足先にPOPといういい意味での大衆性を感じさせ、現にその変化とともにライブ動員が急激に伸び始めていた中、本当の意味でチャートをにぎわすPOPMUSICには無いROCKの楽しさ、心を動かすROCKの衝動をどんな人にも感じさせるバンドに到達したのだと思う。とにかく聴いていて楽しい、歌詞だけ見れば重く感じる歌も、自己完結を煽るような心の動かせ方ではない、共有することへの勇気を与えるものと感じさせる。
開き直るのは簡単なことだと思う、ピロウズが10年を過ぎて感じさせる変化は単なる開き直りでは無い、周りの状況が変わり続けてもメンバー間の絆が決して崩れなかった理由である、確固とした歌のテーマとPOPでなくてはROCKではないというポリシーが認められた結果だと思う。大衆性はロックの危うさ、かっこよさとは裏腹にあるのかもしれないが、それは表現されたものへの結果論、うんちくであり、それを凌ぐ音があればそんなものを気にする必要は無い。“かっこいいから聴いてよ”と堂々といえるアルバム、メンバーは嫌がるかもしれないが、次のステップに確実に進んだといえるアルバムが完成した。