トライアル
【初回限定生産盤】 DVD付
AVCD-38404/B / ¥3,300(tax in)
【通常盤】
AVCD-38405 / ¥3,000(tax in)
- Revival
- Rescue
- Comic Sonic
- Flashback Story
- エネルギヤ
- ポラリスの輝き 拾わなかった夢現
- Minority Whisper
- 持ち主のないギター
- トライアル
- Ready Steady Go !
- トライアル[Music Video]
- 初回特典(封入)
- ■ステッカー
■全国ツアー先行応募券
■3作連動特典専用応募券封入
「トライアル」山中さわおセルフライナー
ニューアルバムか完成した。誰かに教えて貰わないと、もう何作目かもわからないけど、今回もとても気に入ったモノが出来て、喜びと安堵に浸ってます。
僕は長い間レコーディング作業を、瞬発力で大雑把に取り組み、そこにロックンロール的なゴールがあるような気持ちだったと思う。
それがここ3~4年前から急に真逆のスイッチが入り、緻密にデリケートに、しつこく探りながら作業するようになった。
今作はその拘りを最大に詰め込んだ作品かな。こんなに何度も何度もやり直したレコーディングは、長い活動の中で初めてです。
『トライアル=試練』
僕が43年間の人生で感じた事は、人間はただ生きてる事だけでも試練だ。
健康な人も、そうでない人も、お金持ちも、そうでない人も、若者も老人も、状況・状態に必ずしも比例する訳ではなく、幸せ・不幸せ・空虚を本人が感じ取り、人生を右往左往するのだろう。心が暗闇に吸い込まれそうな時がある。誰かに嫌われても、才能が枯れても、退屈でも、人生は続いていく。
最終回は都合の良いタイミングで来ないようだ。ひたすら生きていくしかないのだろう。23年目に突入したビロウズ。旅路の果てに何が待つだろう。何を感じるだろう。
アルバムタイトル“トライアル”は“試練”の意。活動23年を越えた彼ら。決して順風満帆なバンド人生を送って来た訳では無い。
それでも幾多のアーティストが生まれては消えていく中、確かなオーディエンスの心に届く名曲を作り続け、20年の時を経て
武道館というまごうことなき“認められた”ステージにも立った。ソングライター山中の心は満たされ無いのか。
“世界で一人だけ生きている、そんなペナルティーの最中“Trendy song, My private song”“最下位確定のランナーのスピード”。
所詮ロックミュージックはマイノリティであり、それでも自分の信じる音楽の可能性を捨てることは無く、
大衆に認められる事に焦がれる事は無くとも、ロックミュージックがホップミュージックであることを疑わない。
あきらめを歌うこと、一筋の希望を歌うこと。前作“HORN AGAIN” でもツノよ再び、と改めて自分のロックミュージックを
変わること無く生み出し続けることを表明した彼ら。心の深さに呼応するサウンド、ピロウズらしいアルバムであった。
今作の聴後の印象は近年の彼らのものとは明らかに違う。1曲目“Revival”の疾走感も、“Comic Sonis”や“Flashback Story”のピロウズならでなのポップナンバーも、試練を乗り越える覚悟からくる清らかさ、とにかく颯爽としてかっこいい。
“持ち主のないギター”“トライアル”のつながりの素晴らしさ。“忘れたはずの歌甦って、僕を責めるように素晴らしい”
“絶望感の暗闇を、何度も抜け出したはずだ”。燃え尽きるのは分かっていても、自分らしさの全てであるギターを探し続ける。
終わることへの喪失感にとどまるのでも、満たされることを廻らせるのでもなく、末路も全て受け止めたうえで又一歩を踏み出した彼ら。ラスト“Ready Steady Go !” の爽快感。輝く未来では無くとも、踏み出した足音は常に凛々しい。