雨上がりに見た幻
AVCD-31652/B/ ¥1,500(tax in)
【通常盤】
AVCD-31653/ ¥1,000(tax in)
- 雨上がりに見た幻
- ファイティングポーズ
1989年結成、2009年9月16日、結成20周年の記念日を初となる武道館公演で迎えるthe pillows。
the pillows が結成された年をタイトルにした「1989」では“Please,catch this my song” と孤独と寂しさの中から願いをうたい、それは切でありながら、諦めの色を感じさせる夢物語のようであり、「ストレンジ カメレオン」では、世間から決別しながら、キミという消え行くような存在に希望を残し、彼らにとってのバンドソング「ハイブリッド レインボウ」では、名前も無い無人島で、自分達にだけ見える希望の象徴への共感を叫ぶ。一環してあきらめと希望の狭間を揺れ続けた山中さわお。自分の信じる音楽と世間とのギャップ、それがthe pillowsの活動の原動力の一つであり、20 年の間彼らが活動を続けられたのは(彼らが歩みを止めなかったという事ではなく、彼らがロックの一線で活動を続けられたと言う意味で)、the pillows の音楽、山中が歌う希望が、ゆっくりではあっても確実に叶えられる価値のあるものだった事を実証している。
そしてこの「雨上がりに見た幻」、結成20周年を記念してつくられたこの楽曲は、ある意味山中さわおの王道、哀しみと決意を両立させたバンドソングである。しかしこの曲から最初に受ける印象、印象の比率とも言えるものは確実に希望に寄っており、その希望も何かを成し遂げたものだけが与えられる自信を備えた、より力強いもに感じられる。
かといって単なる応援ソングや、悲しみの憂さを晴らすだけの薄っぺらなものである訳では勿論無い。当たり前の言葉で、しかし稚拙さや陳腐さは微塵も無く、淡々としながらしっかりと胸に届く歌。足跡の無い道を20年間歩き続けたものだけが伝えられる感情。それをそのまま歌に代えた楽曲。彼らが確実に未来への足跡を残した事、それ自体を自ら証明するかのような名曲の誕生。