HORN AGAIN
【初回限定生産盤】 DVD付
AVCD-38200/B / ¥3,300(tax in)
【通常盤】
AVCD-38201 / ¥3,000(tax in)
- Limp tomorrow
- Give me up!
- Movement
- Lily, my sun
- Biography
- Sad Fad Love
- Nobody knows what blooms
- EMERALD CITY
- Brilliant Crown
- Doggie Howl
前作「OOPARTS」から1年3ヶ月ぶり、いよいよロック色を深め、ロックギミック、バリエーションに富んだ、22年の活動が健全に勢いに転化されたようなアルバム。エモーショナルな洋楽ナンバーのようにあっという間に10曲を楽しめるアルバムではあるのだが、聴後にくっきりと残る隘路に迷い込んだような感覚。それこそ山中さわおが22年間持ち続けている“絶望と希望の狭間”で揺れ動く感覚。1曲目「Limp tomorrow」での“欠けたままでいたいのさ、”シングル「Movement」でぱもうすぐ終わりだよって、悲しいセリフに酔った、ラブソングである「Lily,my sun」でも“出会う前の僕はいない”とつぶやく。
前作では20周年を終えた区切り感、ある意味清々しい決意が、バンドの向かうべき道が表現されていたが、前面にさらなる加速感を与える今回のアルバムでは、特に詩の部分においては山中のよりパーソナルな、絶好調の今においても決して拭い去れない感覚が顔を出したと言えるものになっている。
そして絶望したからこそ強く自我を意識するように「Biography」では“誰にどんな事を言われても良い、僕自身がどう在りたいかだ”、アルバムの中心となる名曲「Brilliant Crown」はそれ自体が彼の心が物語に転じたものであり、ラストの「Doggie Howl」では強烈に絶望の中でも自由でいることを宣言している。山中さわおのダークサイド?が顔を出したとも言えるこのアルバム。ロックミュージックが誘引する絶望と希望への共感。山中の描く詩世界に魅了されたものにとっては待ちに待ったアルバムではないだろうか。
そしてこの感覚を乗り越え昇華して名曲を生み出してきたthe pillows。さらに彼らの未来に期待させるアルバムとなっている。